「“遺骨が手元にあるまま”…これって大丈夫?」

「気持ちの整理がつかなくて、まだお墓には納められない」
「タイミングを見て納骨するつもりだったけど、気がつけば数年…」
そんなふうに、大切な人の遺骨を手元に置いたままの方、実は少なくありません。
でも――
このままで大丈夫?法律的には?宗教的には?
🏛 法律的にはどうなの?
まず、法律の話から。
日本では、遺骨を埋葬・納骨できるのは“許可を得た墓地”だけとされています(墓地埋葬法)。
…と聞くと、
「じゃあ手元に置いておくのは違法?」と不安になるかもしれませんが、
実は、一時的な「自宅保管」自体は禁止されていないのです。
ただし注意点が2つあります。
✅ 注意①:「勝手に庭に埋める」のはNG
法律上「墓地ではない場所」への埋葬(庭・畑など)は原則禁止です。
✅ 注意②:「いつまでもそのまま」も好ましくない
長期的な自宅保管は、行政や親族とのトラブルになることも。
🧘♀️ 宗教的にはどうなの?
宗派や寺院によって考え方はさまざまですが、
**多くの宗教者が大切にしているのは「供養の心」**です。
「まだ納骨できないのは、心の整理がついていないから」
「自分の近くで、静かに祈っていたい」
そんな思いを、責める人はいません。
むしろ、丁寧に祈っている方が多いのです。
🫱 手元供養という選択も
最近では「手元供養」という考え方が広まり、
自宅で小さな骨壷やペンダントに遺骨の一部を収めて供養する方も増えています。
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ミニ仏壇と一緒に
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写真のそばに
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リビングや寝室で、いつも近くに
形式よりも、「どう想っているか」が大切。
日々の祈りの場として、手元供養はとても自然な形です。
💡 いつか納骨を考えているなら…
心が整ったときに、
・納骨堂
・永代供養墓
・お寺や霊園の合祀墓
など、気持ちに合う場所をゆっくり選んでいけば大丈夫です。
また、遺骨を納める際には「改葬許可証」が必要になることもありますので、
自宅保管中でも書類の整理だけはしておくと安心です。
遺骨を手元に置いているということは、
それだけその人を大切に想っている証拠です。
法律や宗教の枠だけで測れるものではありません。
「まだ手放せない」という気持ちにも、ちゃんと意味があります。
大切なのは、
“形”ではなく、“想い”がそこにあるかどうか。
焦らず、無理せず、
あなたらしい供養のかたちを、見つけていきましょう。

