墓じまいの不安を解消

コラム

“離檀料”って、いくら払うのが正解ですか?

お墓じまいの話題になると、よく耳にするのが「離檀料(りだんりょう)」という言葉。
「なんとなく聞いたことはあるけれど…いったい何なの?」
「いくら払えばいいの?相場ってあるの?」

今回は、そんな疑問にやさしくお答えします。


◆ そもそも「離檀料」って何?

「離檀料」とは、これまでお世話になっていたお寺(=菩提寺)とのご縁を離れるときに、お礼としてお渡しするお布施のようなもの。

つまり、「今までありがとうございました」の気持ちを形にするものです。

ただし――
仏教の教義や法律で「必ず支払うべき」と定められているものではありません。
あくまで**“ご縁に対する感謝”としての心づけ**です。


◆ 気になる相場…いくらが妥当?

結論から言えば、明確な「決まり」や「相場」は存在しません
とはいえ、現場の感覚としては…

  • 3万円~20万円程度

  • 中には「お気持ちで」とされるケースも

  • 逆に「100万円請求された」という相談も…

金額の幅が大きいのが実情です。

ここで大切なのは、「払う側の気持ち」と「寺院との関係性」です。


◆ “高すぎる請求”にどう対応する?

もし、納得できないほど高額な離檀料を提示された場合は…

  1. まずは丁寧に事情を聞いてみる
     「どうしてこの金額なのか」を確認してみましょう。
     過去に無償で供養をしてもらっていた事情などがあるかもしれません。

  2. 話し合いの余地があることを忘れずに
     お布施や離檀料に「定価」はありません。
     お互いに尊重し合いながら調整することが可能です。

  3. 第三者に相談するのも手
     どうしても不安なときは、墓じまいの専門窓口や行政の消費生活センターに相談してみましょう。


◆ 離檀料を包むときのポイント

  • のし袋には「御礼」または「離檀料」と記すのが一般的

  • 封筒に「◯◯家一同」などと書き添えると丁寧な印象

  • 持参する際は「ご挨拶」の気持ちで伺いましょう

お金を渡す、というよりも、
「これまでお世話になりました」の感謝を届けることが大切です。


◆ 離檀料をめぐるトラブルを防ぐには

事前にご住職と丁寧に話し合い、
・墓じまいの時期
・閉眼供養の段取り
・永代供養に切り替える場合の手続き
など、できる限り早い段階で相談しておくことが鍵です。

金額の話だけでなく、
「気持ちを伝えること」こそ、供養の第一歩になります。

離檀料に“決まった金額”はありません。
でも、だからこそ大切なのは、感謝の気持ちと常識的な配慮

「これまで本当にありがとうございました」
その一言に、きっとお寺の方も気持ちよく応えてくださるはずです。