墓じまいの不安を解消

コラム

「お墓の中って、どうなってるの?」

― 墓じまいを考え始めたら、まず知っておきたいこと

「墓じまいをしたいと思うんですけど…お墓の中って、どうなってるんでしょうか?」

これは、実際に多くのご相談で最初にいただく質問のひとつです。

普段、お墓参りでは手を合わせることはあっても、その“中”がどうなっているかなんて、なかなか想像することはありませんよね。けれど、いざ墓じまいとなると、どうしても気になってしまう——それはとても自然な感覚だと思います。


◾ 見えない場所に、長い時間の重みがある

お墓の中には、「カロート」と呼ばれる納骨室があり、そこにご遺骨が安置されています。地域によっては“骨壷のまま”の場合もあれば、“土に還す”ように骨壷を開けて埋葬するケースもあります。

問題は、時間です。

100年と時が流れれば、骨壷が風化してしまっていたり、複数のご遺骨が混ざり合っていたりすることもあります。時には「壷が見つからなかった」「土の中に完全に還っていた」ということもあります。

でも、だからといってご供養ができないわけではありません。

むしろ「見えないからこそ」、丁寧に扱うことが大切になります。たとえば、掘り起こせないお骨は「土ごと拾骨」して、ご住職に読経していただいた上で、新たな納骨先に移すことも可能です。


◾ “中身の状態”よりも大事なこと

私たちが墓じまいをお手伝いするとき、一番大切にしているのは、「いままでそのお墓が、ご家族やご先祖の心の拠り所だった」ということです。

お墓の中がどんな状態かは、確かに大切な情報です。でも、それ以上に、“どうお見送りするか”“どんな気持ちで整理していくか”のほうが、よほど大切なことではないでしょうか。

「壊れていたらどうしよう」「全部残っていなかったら失礼かな」——そんな不安があるかもしれません。
でも、どうぞご安心ください。私たちの仕事は、「お墓の中がどうなっていても、心を込めて整理すること」なんです。


◾ 最後の“ありがとう”を、そっと伝えるために

墓じまいとは、ただの撤去作業ではありません。
それは、ご先祖さまへの「これまでありがとう」という気持ちを込めた、ひとつの節目です。

「お墓の中ってどうなってるの?」と疑問を持ったその瞬間から、あなたのご供養はもう始まっているのかもしれません。