墓じまいの不安を解消

コラム

こんな時代だからこそ、「墓じまい」が前向きに映るとき

数年前までは、「お墓を片づける」と聞くと、どこか寂しく、ネガティブな印象を持たれることが多かったように思います。
ですが最近は、お墓じまいについてのご相談が増え、同時にその受け止め方も少しずつ変わってきているのを感じます。

とくに、コロナ禍をきっかけに「お墓を守っていく」ということの難しさを実感された方は多いのではないでしょうか。
遠方への移動が制限され、「お墓参りに行けないこと」が続くと、それまで当たり前だった“つながり”が、ほんの少し遠くに感じられてしまう。
そんな経験が、「お墓のあり方」を見直すきっかけになったという声も少なくありません。

また、少子化や核家族化も進み、「自分の代でお墓を閉じたい」「子どもには負担をかけたくない」と前向きに考える方も増えています。
「ご先祖さまとの縁を終わらせるのではなく、今の自分たちの暮らしを大切にしながら、できる形で供養を続けていきたい」
そんな思いが込められたご相談に、私たちも何度も胸を打たれました。

お墓じまいという言葉には、どうしても「片づける」「終わる」という印象がつきものですが、実際は「未来につなげるための選択」であることも多いのです。
たとえば、「永代供養」や「納骨堂」などを選ぶことで、距離や時間にとらわれず、安心して手を合わせられる環境を整えることもできます。
それは決して、供養をやめることではなく、供養の形を“今の自分たちに合ったスタイル”に整える、ということ。

「こんな時代だからこそ、思い切って決断できました」とお話しくださったご家族もいました。
暮らし方が変われば、お墓の守り方も変わって当然です。
そして、それを前向きに選べる人が増えていることは、ある意味でとても希望のあることだと思います。

もし、今「お墓じまい」という言葉に少しでも心が揺れたなら。
それはきっと、あなたがご家族やご先祖さまとの関係を大切に思っているからこそ。
そんな優しさに、私たちはこれからも寄り添っていきたいと思っています。